土木学会論文集B1(水工学)
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和文論文
浸水時における事業所資産のフラジリティ曲線の推計:平成30年7月豪雨を対象として
黒田 望梶谷 義雄多々納 裕一
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2020 年 76 巻 1 号 p. 70-80

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抄録

 本論文では,平成30年7月豪雨において浸水被害を受けた企業から得たアンケート回答結果を基に,資産被害に関するフラジリティ曲線を推計した.フラジリティ曲線は,地震動等の外力に対する構造物の損傷や企業の操業能力への影響の大きさを確率論的に分析するための手法であり,災害被害想定の基本モデルとなるが,水害時の資産被害率については推計事例が存在しない.本研究において推計したフラジリティ曲線の被害率や被害額の期待値は,確定的な評価手法である治水経済調査マニュアル(案)の同指標よりもやや過小評価となった.本結果は,企業の水害対策やBCPの進展を反映している可能性もあり,評価モデルを継続的に更新しながらその妥当性を検証していくことが重要である.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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