2020 年 76 巻 2 号 p. I_1009-I_1014
河川近傍に設置した地下水観測孔において電気伝導度を年間を通じて高密度に連続観測し,観測孔内電気伝導度の時空間変動特性を調査した.観測結果から,同一孔内であっても電気伝導度が空間的に周囲と異なる値を示す深度帯が存在すること,またその局所的な電気伝導度の変化帯において,電気伝導度が一定の値を示さず時系列的に常時変動し続ける現象が確認された.現地における河川伏流水の流況特性の考察および室内実験による検証の結果,観測孔内における電気伝導度の変動現象は,他深度帯とは異なる電気伝導度を有する地下水が局所的に流入することによって発生している可能性が高いことが明らかとなった.