2020 年 76 巻 2 号 p. I_1279-I_1284
本研究では,アサリの漁獲量減少が問題となっている山口県椹野川河口の山口湾において,アサリの在/不在の現地調査および機械学習を用いた画像解析によるアサリの在/不在の分布予測を行った.現地調査の結果,山口湾は193の地点の地点の内28地点でアサリが棲息していた.また,機械学習による画像解析はアサリの在/不在それぞれ448枚の画像を69.5%の割合で正しく識別した.また,山口湾調査エリア全域を評価した結果,道路や砂浜,岩の上などアサリが確実にいないところは正しくいないと評価したが,不在の場所も在と認識する傾向が示された.以上のことから,UAVと機械学習による解析を用いることで,アサリの生息場をおおむね把握できる可能性が示唆された.