2020 年 76 巻 2 号 p. I_1285-I_1290
都市域を流れる大河川の低水路河岸は親水空間としての整備が進められてきたが,動植物の生息空間のポテンシャルも有していることから,近年は多自然川づくりの一つのポイントと考えられている.特に潮汐作用により河岸に汽水性干潟が形成される区間では,独特のビオトープが創出される可能性がある.そこで本研究では,首都圏を流れる荒川にある五反野ワンドの汽水性干潟において湛水時の塩分と土壌塩分変化を観測するとともに,それらを再現する経験的モデルを構築した.同モデルは低水路河岸表層の塩分を潮汐変化から簡易に表現するモデルと,湛水塩分から土壌中間隙水の塩分を表現するモデルから構成される.6 か月に渡る数値シミュレーション結果は,実測の土壌塩分を良好に再現した.