2020 年 76 巻 2 号 p. I_211-I_216
例年豪雨による災害が多発する中,高時空間解像度の地上降水データの需要が高まっており,自動車を用いた降水移動観測技術について,国内外で試行されている.本研究では,降水を定量的に移動観測するため,小型で安価な動体検知素子を用いて,車載に適したドップラー降雨センサを作成した.実際に,そのセンサを自動車に搭載し,レーザー式雨滴計,風向・風速計,GPSも併設して,移動観測試験を実施した.その結果,センサから出力される電圧の変動成分(移動平均からの偏差絶対値)は,降雨に応答するが,雨滴運動に関係する相対風速の影響も強く受けていることも分かった.したがって,変動成分を相対速度で補正したところ,レーザー式雨滴計の降水強度と明確な線形関係を有し,線形モデル(R2=0.84)により降水強度の推定が可能であることが示された.