2021 年 30 巻 p. 166-173
本研究は、入院に付き添う母親が捉えた学童期の子どもに対する 「よい看護」 を明らかにすることを目的とした。入院に付き添う母親23名に半構造化インタビューを行い、テーマ分析をした。結果として【処置以外に声をかけることで、病棟の中に子どもの 「居場所」 ができる】、【子どもの好きなものを見つけて、とっかかりとして話すことで、子どもの心が開く】、【選択肢を広く多く提案し、子どもがタイミングを選べるようにすることで、その子のペース、リズムに合った処置が受けられる】、【根気強く待って、子どもにわかるよう具体的に説明していくことで、子どもが納得できる】、【優しさだけでなく、時には強さをもって、処置から逃げ出したい子どもの思いを受け止めることで、処置に立ち向かえる】など6つのテーマが抽出された。看護師は子どもが病棟で自分らしく過ごせるよう、子どもの状況を正確に捉えた上でかかわることが重要と示唆された。