2020 年 76 巻 2 号 p. I_319-I_324
近年,河川水が透水性基礎地盤に浸透することで,堤内において漏水や噴砂が発生し,パイピング破壊に至る危険性が増加している.河川堤防のパイピングメカニズムを解明し,重点監視箇所を検討することは今後の重要な課題である.本論文では,パイピングメカニズムについて噴砂の発生及び堤体下のパイピング孔の進展に着目した三次元浸透流解析と実験を実施した.その結果,噴砂の発生によって基礎地盤内の水圧減少の伝播の様子を解析により再現した.また,パイピング孔が進展する際,パイピング孔先端では孔径の約10倍の範囲から三次元的集水によって流速が増大し,特に複層の場合ではパイピング孔全体に浸透流が作用することが,パイピングを助長させる要因となることが明らかになった.