2020 年 76 巻 2 号 p. I_313-I_318
洪水時の基盤浸透による堤防破壊危険性を評価するためには,基盤の空隙構造を適切に考慮し,堤防裏法先付近での浸透流の集中・発達の機構を水理的に明らかにする必要がある.本論文では,粒子配置と空隙構造の不均質性に伴う透水係数の異方性を考慮し,堤防基盤浸透流をモデル化した.構築したモデルを用いて漏水弱点部を有する基盤層の浸透流解析を行い,被覆土の厚さと弱点部の拡大が,基盤層内のピエゾ水頭変化と,弱点部に向かう流れの集中・発達に及ぼす影響を明らかにした.また,薄い被覆土に弱点部が形成されると,法先近傍の高流速域が発達し,堤防破壊危険性が高くなる可能性があることを示した.