2020 年 76 巻 2 号 p. I_475-I_480
直列配置されたダム群において上流側のダムの非常用洪水吐きからの越流を許容する“カスケード方式”を適用する際,最下流のダムを除いて上流側ダムの計画高水流量を最適化することがカスケード方式の効率化のために重要である.本研究では,2基および3基の流水型ダムが直列配置された流域にカスケード方式を適用した場合を対象に,従来は最下流のダムの無害放流量に相当する計画高水流量と同じで一定としていた上流側のダムの最適な計画高水流量について,系統的な数値実験により検討した.なお,ここでは基本的な洪水制御能力を評価するために支川の無い本川のみの場合を対象としている.その結果,カスケード方式の適用の際,全ての流水型ダムの計画高水流量を最下流のダムの計画高水流量と同じ値としても最適に近い洪水制御効果が期待できることが分かった.また,カスケード方式の治水効果は,無次元総治水容量と線形関係にあることが分かった.