2020 年 76 巻 2 号 p. I_469-I_474
近年,毎年のように甚大な河川災害が発生しており,今後は流域全体の挙動を考慮した総合的な対策が求められる.霞堤などの伝統的施設も多面的な検証が必要である.本研究では,鬼怒川中流域を例として急流河川の霞堤の治水機能を,2次元流解析で検討した.解析条件として,1000年確率規模に至るいくつかの流量を与えるとともに、上流で破堤した場合の氾濫流の挙動や堤内地での土砂動態も検討した。その結果,1000年確率規模の流量であっても、解析区間内のすべての霞堤で堤内への遊水は発生しなかった.また道路橋に伴う盛土によって決壊口からの氾濫流が堤内地側に広がるために,氾濫流は霞堤から河道へ半分ほどしか還元されず,堤内地全体に土砂堆積範囲が広がる可能性があることを明らかにした.