2020 年 76 巻 2 号 p. I_547-I_552
大規模アンサンブル気候実験データの現在再現結果1500年相当を入力値とした降雨流出氾濫モデル実験結果を教師データとする機械学習手法により,浸水範囲予測を行う流出氾濫モデルのエミュレータを作成した.過去に水害が頻発している雄物川流域を対象とした検証結果を行い,河道付近に広がる主要な浸水範囲に関しては,およそ8割から9割の精度でモデル実験結果を機械学習により再現できることを明らかにした.機械学習により得られたエミュレータに対して平成29年7月洪水における実観測降雨量を入力した結果を実績の浸水範囲と比べた結果,機械学習の方法により再現精度は異なるものの,降雨流出氾濫モデルによる実験と同程度の予測結果を得ることができた.