土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第65巻
地球温暖化による豪雨の変化と都市河川洪水への影響
吉岡 伸隆井手 淨守田 優平林 由希子
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 76 巻 2 号 p. I_55-I_60

詳細
抄録

 近年,地球温暖化により豪雨の頻度や強度が増加傾向にあるとされるが,現在の洪水防護の基準となる計画降雨は過去の観測データから作成されたものであり,温暖化の影響を考慮していない.そこで本研究では,都市河川である東京の善福寺川流域を対象とし,d4PDFを用いて4℃の温暖化を想定した場合に計画降雨がどの程度変わりうるか,その計画降雨を用いた場合の最大浸水深および浸水面積がどの程度変わるかについて氾濫解析モデルを用いて調査した.4℃上昇時の計画降雨の総降水量は,現在使用されている計画降雨の約1.2倍に増加し,最大浸水深は約1.2倍,浸水面積は約1.5倍に増加した.また,中央集中型の降雨波形を用いると,引き伸ばし法よりも約10%程度氾濫規模が大きくなることが判明した.

著者関連情報
© 2020 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top