土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第65巻
浸透の状態が異なる条件での模擬天然ダムの越水による崩壊機構に関する基礎的水理実験
渡邊 康玄川尻 峻三三嶋 葵
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_577-I_582

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抄録

 天然ダムは越水により決壊が発生すると下流域に甚大な被害が発生することから,越水への対策が早急に実施される必要があるとともに,対策の実施にはその機構解明が必要不可欠となっている.天然ダムの決壊機構の解明について種々研究が実施されてきているものの,天然ダムへの堰き止められた河川水の浸透状況による崩壊現象の違いなど,十分に明らかにされていない状況にある.本研究では,北海道胆振東部地震で発生した日高幌内川の天然ダムの土質調査を基にし,天然ダムへの浸透の違いが越流破堤にどのような違いをもたらすかを明らかにすることを目的として水理模型実験を実施した.その結果,浸透の違いにより崩壊の状況が大きく変化するとともに,崩壊の仕方によっては,崩壊土砂が下流へ流されるまでに時間を要し,現象が遅くなることを確認した.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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