2020 年 76 巻 2 号 p. I_793-I_798
兵庫県豊岡市の普通河川である田結川では,河川周辺の耕作放棄水田を洪水管理に役立てようとする取り組みが地域住民によって始められている.本研究では,普通河川である田結川流域で30年確率降雨による出水について二次元氾濫解析を行い,住民等によって設置された施設の有効性と,耕作放棄水田による洪水の一時貯留機能を評価した.その結果,洪水は耕作放棄水田の上流端の越流堤から流入し,直下に設置された堰によって流速が低下してから耕作放棄水田に流れ出していた.また,耕作放棄水田内に設置された止水板の一部は洪水を減衰させていた.そして,耕作放棄水田はピーク流量時には,約22%の流量をカットすること,さらに,出水イベント時の総流入量の約 25%を受け止めることが明らかになった.