土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第65巻
平成30年7月豪雨災害データに基づく生産土砂量及び土砂堆積域の確率的予測手法
野口 新之助山野井 一輝川池 健司中川 一
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 76 巻 2 号 p. I_877-I_882

詳細
抄録

 本研究では,広島県南部の花崗岩類分布地域における平成30年7月豪雨の土砂災害データとそれに関連する地形・降雨データを基に作成されたデータセットを対象に,順序ロジスティック回帰分析を実施した.分析により構築された回帰モデルは,XRAINメッシュ空間における地形条件と降雨条件を入力とし,その空間で起こりうる土砂生産の規模に対する4段階のカテゴリーの各発生確率値を予測する.また,土石流の堆積勾配式に基づく簡易な土砂移動モデルを構築し,上記の両モデルを併用した多ケースシミュレーションによる土砂堆積域の確率的な予測手法を提案した.同手法の適用では,平成30年7月豪雨で被害を受けた広島県安芸郡坂町総頭川流域を対象とした.計算結果と実際の被災状況の比較から,同流域においては良好に土砂流出傾向を示すことができた.

著者関連情報
© 2020 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top