2021 年 77 巻 1 号 p. 24-38
近年,降雨強度が高まる傾向にあり,鉄道では渓流からの土砂流入災害が増加している.鉄道沿線には数多くの渓流があり,危険渓流抽出のための現地調査には時間や労力を有する.また,渓流には,地形や地質等の様々な要因が混在するため,技術者の危険度評価にばらつきが生じる.とりわけ,線路から遠く離れた位置に存在し,かつ広範囲に分布する上流域に対する危険度評価は,膨大な時間と労力を要する上に,技術者によるばらつきが大きくなる可能性が高い.そこで,本論文では,現地調査を伴わず,渓流の上流域の危険度を統一した基準で簡易に評価できる手法について論じる.具体的には,主に数値標高モデルの定量データを用いて危険度を評価できる採点表を作成し,その採点表による評価が,現地調査による評価と概ね一致することを示した.