2021 年 77 巻 1 号 p. 84-91
多くの降雨流出解析モデルに用いられている一次元河道洪水流計算法は河道断面形状や河道内樹木群,粗度分布と流速分布の相関等を考慮することができないため,河道水位予測の精度に課題があると考えられる.本研究では平成30年7月豪雨による沼田川洪水を対象にRRI(Rainfall-Runoff-Inundation)モデルを用いた洪水時の河道の水位計算精度を向上させる手法を開発した.まず,二次元拡散波近似を用いた表面流フラックスベクトルを浅水流方程式から導出した.次に,二次元解析結果から河道樹木を考慮した粗度係数は,水深の関数として簡易的に表現できることを明らかにした.そして,この粗度係数関数を用いたRRIモデルによる解析結果は二次元解析結果の水位ハイドログラフや縦断水面形を概ね再現できることを示した.