2021 年 77 巻 2 号 p. I_1093-I_1098
本研究は,効率的に浅水域の底質を識別する手法の開発を目的として,島根県の宍道湖を対象に,UAV写真測量と機械学習による画像解析を組み合わせて浅水域の底質の識別を試みた.その結果,本研究で用いた機械学習は,浅水域のオルソ画像から得られた泥岩,石,砂の画像を,おおよそ0.65の識別率で識別した.また,水中画像を用いて底質の識別を行った場合とUAV写真測量によって得られたオルソ画像を用いて識別を行った場合で大きな識別率の変化はないことが示された.さらに,当該手法を用いて調査エリア全域の底質の予測を行った結果,おおよそ現地調査と同様の傾向を捉えた.これらの結果から,当該手法を用いることで,浅水域のおおよその底質分布を効率的かつ面的に把握できることが示唆された.