土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第66巻
RCP8.5の気候変動が播磨灘の窒素フローに及ぼす影響
東 博紀吉成 浩志中田 聡史横山 亜紀子越川 海
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2021 年 77 巻 2 号 p. I_1099-I_1104

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抄録

 播磨灘の窒素動態への気候変動影響を明らかにするため,陸域淡水・汚濁負荷流出-海域流動・水質・底質モデルを用いて,現在気候20世紀末とRCP8.5の将来気候21世紀末のそれぞれ20年間の予測計算を行うとともに,水と窒素のフロー解析を実施した.水のフローには現在気候と将来気候で顕著な違いが見られなかったが,TNとDINについては,夏~秋の高温化によって一次生産が低下し,海底への堆積が減少するため,将来気候の海域間フローが全体的に現在気候より増加し,播磨灘から流出しやすくなると予測された.冬~春では,水温上昇に伴う一次生産の活性化によって将来気候のDIN消費量は現在気候の約2倍に増え,季節変動として見られる海水中のDINの減少が気候変動によって加速すると予測された.

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