2021 年 77 巻 2 号 p. I_1399-I_1404
平成28年8月北海道豪雨を契機に,北海道地方において進められてきた検討の結果,気候変動を考慮した治水計画の検討手法が提案されてきた.しかしながら,立案された治水計画を限られた予算で達成するためには,長期的な投資が必要であり,整備の途中段階でも効率的な河川整備が求められる.本研究では,降雨時空間分布に起因する河川整備の被害軽減効果の不確実性に対して現代ポートフォリオ理論を適用したことにより,大量アンサンブルデータから得られる降雨時空間分布を用いた流域内各河川の河川整備に対する効率的な投資比率の議論が可能となった.