2021 年 77 巻 2 号 p. I_559-I_564
アユの採餌環境を対象に,その空間分布の支配要因である砂被度の記述を目的とした,河床環境数値予測モジュールの開発を試みた.二峰性を有する対象地の河床材料の特徴にしたがい,河床礫の表面や空隙に堆積する砂(間隙材料)の浮遊状態での移動を,数値解析におけるモデル化の対象とした.UAV空撮写真から求めた砂被度を用いて,当該モジュールの再現性を検証した結果,間隙材料の空間的な特徴を大局的に記述できるが,間隙材料の堆積を過大もしくは,過少に見積もる傾向を確認した.また,間隙材料の堆積は,流量逓減期に水際部から生じ,その終盤には,堆積が流心付近に及ぶ場合があることを数値解析による砂被度の時系列変化から明らかにした.