2021 年 77 巻 2 号 p. I_589-I_594
置土による下流土砂還元が一部のダムで実施されている.置土による下流還元は,土砂移動の連続性の観点から重要であるが,ダム堆積土砂処理の問題解決の観点からも有効な方法と考えられる.ただし,還元量は外力となる各ダムの洪水特性に大きく影響を受けることとなる.
本検討では,下流土砂還元実施に関する基礎的な検討の一つとしてダムの放流量データに着目し,日平均放流量データから下流土砂還元を既に実施しているダムの洪水特性を全国のダムと比較した.また,毎時放流量を用い,下流土砂還元実施ダムの洪水特性(洪水回数,洪水継続時間)についても検討を行った.