2021 年 77 巻 2 号 p. I_595-I_600
実測データと簡易モデルを用いて河川の土砂量算定モデルを構築し,掃流砂量に関して,実測データを用いて比較検証した.簡易モデルにはマニング式を用い,浮遊砂量の算定には採水データのSS分析によるLQ式を,掃流砂量については簡易モデルによる無次元掃流力と芦田・道上式を用いて評価した.また,ADCPによる鉛直流速分布から摩擦速度を算定し,この実測による掃流力で計算値を補正した.さらに,補正された掃流力による掃流砂量について,ADCPのBottom Track Speedと江頭の式を用いた掃流砂量の実測値を用いて検証を行った.その際,River Boatの動揺解析を行ない,Bottom Track Speedにおける船体動揺の影響を除去した.その結果,従来の算定結果に対して,船体動揺の影響を除去した結果の方が,実測値と計算値の線形関係の係数値として倍近い精度向上が認められた.