2021 年 77 巻 2 号 p. I_601-I_606
近年,洪水・土砂氾濫に伴う災害が顕在化しており,豪雨時に山間部で生産された土砂が下流に流出するプロセスを適切に評価できる手法が求められている.本研究では降雨流出モデル(RRIモデル)と単位河道モデルを統合した流域土砂流出モデルを提案し,これを流域の渓床堆積物の侵食に伴う土砂流出を簡易に評価する手法と比較して検討している.両モデルを用いて2019年五福谷川洪水の計算を行い,得られた土砂流出量を境界条件として平面二次元流れの解析を行った.その結果,流域土砂流出モデルで計算されるよりもやや多くの細粒土砂が実際には流出したと考えられ,このモデルにとって山地河道の土砂供給条件が重要な要素である.一方簡易モデルは,特に五福谷川の洪水のような多量の土砂が供給される場合,一定程度の有用性が示された.