2021 年 77 巻 2 号 p. I_889-I_894
河川の土砂動態調査を目的として採水分析とフローセル型超音波減衰スペクトル計による連続測定を組み合わせて浮遊砂観測を行った.測定装置の較正のため1ℓの試料を2本採取して土砂濃度と粒度分布を測定した.これまでの伊南川の観測では採水分析結果とフローセル型超音波減衰スペクトル計の測定結果には砂粒子が見られなかったが,出水によって砂が移動して河道に砂洲が形成されていることを確認した.試料の採取方法と試験方法が適切ではないと考えて,本研究では試料の採取量を増量し,試料を0.075mmふるいで砂粒子とシルト・粘土に分けて濃度と粒度分布を測定した.砂粒子が超音波振動子の測定範囲内を通過するように超音波減衰スペクトル計のフローセルを改良する必要がある.