土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第66巻
江の川浜原ダム下流における置土が河川環境に与える影響
花岡 拓身齋藤 稔赤松 良久宮園 誠二中尾 遼平辻 冴月小林 勘太
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2021 年 77 巻 2 号 p. I_979-I_984

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抄録

 江の川浜原ダム下流に投入された置土が河川環境に及ぼす影響の評価を目的として,2020年夏の出水による置土の流出状況を写真測量と流出シミュレーションで推定し,置土流出後である秋と冬の河床環境・魚類と底生動物の生息状況を比較した.置土は,前年の投入量の約30%にあたる2,625m3流出し,約3km下流まで到達したと推定された.秋には,置土の約1km下流で河床貫入度が置土上より高く,砂底を好む魚類の環境DNA濃度も高かったため,置土は投入箇所直下の河床環境の改善に寄与したと推察された.一方,冬には,置土下での河床貫入度と砂底を好む魚類の環境DNA濃度が低下した.底生動物では造網型のトビケラ類の割合が増加しており,置土の効果は出水に伴う流出後3ヶ月程度に留まると考えられた.

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© 2021 公益社団法人 土木学会
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