2022 年 78 巻 2 号 p. I_427-I_432
近年,地球規模で進行する気候変動の影響で,各地で豪雨が頻発している.2019年10月の台風19号では,日本各地で堤防の決壊や河川の氾濫,内水氾濫により多くの被害が発生した.本研究では,台風19号により実際に被害を受けた調布市・三鷹市に加え,隣接する武蔵野市も含めた東京都23区に隣接する三市に注目し,精緻な浸水予測手法であるS-uiPSを用いた想定最大規模降雨時の浸水予測計算を行った.本論文では,特に顕著な浸水が生じる窪地部ならびにアンダーパス部に着目し,ここでの具体的な浸水拡大プロセスを明らかにしている.また,同一の豪雨に対してこれらの三市と東京都23区部で生じる最大浸水深を相互に比較し,浸水規模に大きな差異がないかを下水道網に関する諸量の比較とあわせて考察した.