土木学会論文集D3(土木計画学)
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和文論文
国際的社会基盤整備と生産・貿易構造の変化
許 大明小林 潔司松島 格也
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2011 年 67 巻 1 号 p. 21-38

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抄録

 本研究では,2国で構成される世界経済を対象として,多国籍企業による生産拠点形成を通じた国際分業・国際貿易パターンを分析するための一般均衡モデルを提案する.2国経済は,それぞれ労働生産性が異なっている.多国籍企業も労働生産性が異質であり,グローバルな独占競争市場において差別化された財を生産・販売する.多国籍企業は,生産に当たり差別化された知識資本を必要とする.多国籍企業は国際研究機構とR&D契約を締結し,知識資本を獲得する.多国籍企業は,両国における労働生産性の差異に基づいて生産拠点の立地を決定する.その結果,両国間における貿易パターンが内生的に決定される.その上で,国際的社会資本の整備による輸送費用の変化が,多国籍企業の生産拠点配置,貿易パターン,および両国の家計厚生に及ぼす影響を分析する.

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© 2011 公益社団法人 土木学会
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