抄録
北九州市が市内35地区で実施している「生活幹線道路整備事業」では,地区住民の代表者から成る地元協議会と北九州市が共同でルートや構造等を協議し,計画的に生活道路の整備を行っている.本事業では,一旦協議会が設立されればそのまま合意形成が進行する地区が多く,このことから,協議会を設立できるか否かが合意形成の鍵であり,地区の物理的条件やコミュニティなどの社会関係条件が,協議会の設立に大きく影響していると考えられる.本研究では事業対象35地区の特性分析を通して,内的な地区特性と外的サポートが合意形成基盤(協議会)の設立に及ぼす構造を考察するとともに,それらを用いて合意形成基盤の成立状況を定量的に分析した.