抄録
人口減少とともに財政規模の縮小が予想される我が国では,交通・商業・医療などの都市サービス維持が困難になる.都市コンパクト化はこの解決策として期待できるが,実際のプロセスを考えると,一部地域での都市サービス撤退に伴って居住者の生活が一時的に困難になる可能性もある.しかし,そのようなリスク(都市構造リスク)の実態は全く考究されていない.本研究では時間軸を新たに考慮し,このような都市構造リスクの認知と実態をアンケート調査などから明らかにした.分析の結果,1)都市構造リスクは十分に認知されていないこと,2)想定する都市構造や都市サービスによってリスクは大きく異なること,3)コンパクトシティ形成過程においてBAU以上のリスクが発生する可能性があり,それを乗り越える必要があることが示された.