抄録
我が国土木計画学の分野では,これまで,多くの経済均衡モデルが開発され,都市や地域といった空間を明示的に扱う点において,経済学の分野から輸入された理論の応用という域を超えた独自の発展を遂げてきた.しかも,交通を始めとする様々な政策評価や事業評価においてこれらのモデルが用いられるようになり,実用面においても近年目覚ましい進展が見られる.本稿では,「土木計画における経済均衡モデル研究の最新動向:応用一般均衡モデルと応用都市経済モデル」の特集にあたって,経済均衡モデルの意義について再確認した上で,各論文の特徴と位置づけについて概説する.