抄録
近年,アジアやわが国において,高速鉄道整備および計画が進められてきている.これらの評価は経済効果に主眼を置くものが多い.一方,高速鉄道整備の環境影響の評価は流動量や交通機関分担の変化に伴うCO2排出量の影響といった交通部門のみに主眼を置くものが多く,高速鉄道整備による経済成長に伴う産業部門からのCO2排出量増加を踏まえた分析事例は少ない.また,こうした評価が可能なSCGEモデルは各国で構築されているものの,国際比較による分析事例はみられない.そこで,本研究では韓国のKTX(韓国高速鉄道整備)と日本のMAGLEV(リニア中央新幹線整備)を対象として,これら双方の観点からの評価が可能なSCGEモデルを用いて,高速鉄道整備による経済効果及びCO2排出量の計測を試み,交通機関や産業構造の観点から国際比較を行う.