抄録
港湾や空港は,国際物流において必要となる基礎的な施設であり,国際物流に関連する多くの産業は,港湾や空港の近隣に立地している.港湾・空港整備政策や貿易政策による地域経済への効果を分析するためには,国際物流関連産業の即地性を考慮する必要がある.本研究は,開放経済において国際物流関連産業の特性を考慮した多地域応用一般均衡モデルの基本形を提案する.さらに,港湾・空港都市と後背地都市の相対的な規模関係の違いによって,貿易需要ショックや国際物流関連産業の技術変化などが地域へもたらす経済的インパクトの特性が変化することを示す.