抄録
アジア途上国では,経済成長に伴いモータリゼーションと都市域スプロールが急速に進行しており,乗用車依存社会の形成を避けるためにも,低炭素交通システムをより早期に実現することが求められている.しかし,アジア途上国都市では,データ制約や将来の不確実性から,必要な施策の効果を把握することは容易ではない.本研究では,アジア都市における道路と鉄道の整備経路による将来のモータリゼーションの進行と鉄道利用の浸透の違いを日本の経験からシナリオ化し,これによる世帯立地の変化をモデル化することで,土地利用交通施策の早期実施によるスプロール抑制の可能性をバンコクを例に分析する.この結果,鉄道整備・土地利用規制・沿線高密度開発の組み合わせと,それらの実施時期によって,人口密度の分布は大きく変化することが示された.