抄録
近年,大都市都心部の交通ターミナルは,交通結節点としての機能だけでなく,商業施設の集積によって,大規模化される傾向にある.このため,これらの交通ターミナルは多層構造を有することになるが,来訪者にとっては3次元空間における行動を余儀なくされることになる.本研究は,3次元構造を有する大規模交通ターミナル地区において,歩行者の経路選択行動を実態調査によって把握し,これに基づいて経路選択行動モデルを構築することを目的とする.具体的には,上下移動を行う場所の選択モデルと,上下それぞれの平面における経路選択モデルを組み合せることによって,3次元空間における歩行者の行動を表現しようとするものである.