抄録
LCC(ライフサイクルコスト)最小化アセットマネジメントにおける補修戦略は,偶発的に構造物が破損したときの機能低下や,あるいは補修時における利用者費用を考慮していない.本研究では,施設の破損で生じる道路利用者,道路管理者の期待費用をリスクとして定義して補修戦略を決定する方法を用いる.この方法では,複数種類の道路施設における補修の必要性を一元的に評価できる.リスクは利用者が選ぶ経路によって暴露する大きさが異なるため,利用者間にリスク暴露の格差が生じる.本研究では,利用者間におけるリスク暴露の格差を衡平性尺度として捉えて,衡平性指標を定義し,格差を減少させ,投資金額に対して低減できるリスクを最大化する最適補修戦略決定モデルを構築する.構築したモデルを仮想のネットワークで挙動確認した.