土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第30巻(特集)
香川を起点とする四国高速鉄道導入の社会経済効果分析
曽根 慎太郎紀伊 雅敦土井 健司
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2013 年 69 巻 5 号 p. I_639-I_648

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抄録

四国の鉄道は速達性の面で自動車に対する競争力が低く,モータリゼーションの進展および人口減少と相まって利用者数は大きく減少し,地域ネットワークの維持が困難となっている.鉄道は持続的発展を図る戦略インフラとして,また人々の移動権を確保する基礎的社会インフラとしての役割が期待されており,その維持・改善方策として高速鉄道の導入が検討されている.本研究では,四国圏における鉄道の持続可能性と高速化の意義を明らかにすることを目的とし,香川を起点とする四国高速鉄道導入の効果を,高速シナリオを設定したうえで2035年までの人口動態をもとに,経済的効率性・社会的公平性の観点から定量的に分析した.成果として,高速鉄道導入は鉄道事業者の財務状況の改善と鉄道利用者のサービス水準の向上に一定の効果をもたらすことが示された.

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© 2013 公益社団法人 土木学会
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