抄録
本研究では「買い物をすることで気分転換することができる」や「自分の好きな商品を手に取り購入することができる」などの買い物における多様な価値と,各種買い物弱者支援方策に対する利用意向について高齢者に着目し分析を行った.多くの高齢者が買い物における多様な価値を必要だと感じていることが示された.買い物における多様な価値を必要だと思っているにも関わらず,それが達成されていない人の把握も行えた.また,買い物先(店舗)の利用実態や交通手段によっても多様な価値の達成に差があることが示された.買い物支援方策の利用意向を示した高齢者の方が,買い物における多様な価値を必要としている割合が高い結果となった.買い物支援方策の利用によって,買い物における多様な価値が達成される可能性があることも考えられる.