抄録
道路ネットワーク上でグリッドロック現象が発生すると,その影響は周辺道路に急速に伝播し,ネットワーク全体の交通容量を低下させる恐れがあり,発生の防止が求められる.本研究は,シングルグリッドネットワークを対象に,グリッドロックの発生条件について考察を行った.その結果,グリッドロックの発生には,下流側リンク渋滞時の交差点合流比と,交差点の上流側リンク交通流に含まれる右折車の割合が関係していることが導かれた.また,渋滞車列がグリッドネットワーク上を一周してつながった場合の交通状態として,(i) ボトルネック交差点の容量で安定する場合,(ii) ボトルネック交差点の容量より低下するが,ある一定の値で安定する場合,(iii) ネットワーク全体の容量が0に低下する場合,の3パターンが存在することが示された.