2016 年 72 巻 1 号 p. 88-98
近年,地方ではモータリゼーションの進展や人口減少の影響により,公共交通や医療機関,商業施設が供給するサービスの縮小が相次いでいる.これに伴い,活動する際に住民が選択できる時間や目的地が減少しており,活動の機会への制限がより厳しくなっている.このような地域では,住民の活動機会を確保するための政策・事業を講じることが自治体の重要な課題となっている.具体的な政策等を検討するに際しては,どれだけの活動機会を確保しうるのかを定量的に把握することができれば,その目標の設定や効果の評価に有用である.そこで本研究では,各地域に確保されている活動機会を時間と目的地の観点から評価するアクセシビリティの指標を開発するとともに,その有効性を確認する.