2016 年 72 巻 2 号 p. 138-152
本研究はアメリカ・ニューヨーク市交通局による施策の一つである「Plaza Program(プラザプログラム)」制度を対象とし,(1)制度化に至るまでの同市の歩行者空間に関する施策の変遷,(2)制度の運用方法及び計画された歩行者空間(プラザ)の空間的特徴について整理を行い,制度の特徴を明らかにした.さらに,(3)多様な種類の民間組織によるマネジメントの実態から,マネジメントの成果として,渋滞などの交通問題の緩和に加えて,コミュニティが抱える社会的課題への取組みや地域活動の活発化,景観の魅力向上がもたらされていることを提示した.
以上から得られた知見を総括し,プラザプログラムが短期間に普及してきた要因,従来の街路利活用のマネジメントの仕組みと比較した際の利点と課題を明らかにした.