2016 年 72 巻 5 号 p. I_169-I_176
社会基盤整備の計画段階で,市民の意見を計画に反映させながら進めていくパブリック・インボルブメントの考え方が定着してきている.パブリック・インボルブメントを有効に活用するためには,あらかじめ市民が社会基盤整備に関心を持っているという土壌が必要である.そこで本研究では,市民が日ごろ目にする報道媒体の一つである新聞に着目し,紙面上においてどういった記事が多く取り上げられているのかを独自に設計・作成したデータベースを用いて定量的に明らかにした.その結果,社会基盤関連の記事の割合は多くはなく,またその内容も社会基盤整備についてではなく経済記事や,事故の報道がほとんどであった.