2016 年 72 巻 5 号 p. I_505-I_514
豊明市では,現在の財政状況は健全であるが,近い将来には少子高齢化が進行し,老朽化した公共施設等の更新に向けた投資的経費の財源不足の懸念があることから,総合的かつ計画的な維持管理の実践に向け,いち早く公共施設等総合管理計画の策定の取組を開始した.具体的には,計画策定業務により計画の内容を検討すると同時に研究会を発足し,効率的な維持管理の実現性について検討を行った.
本研究では,公共施設等総合管理計画の策定過程を観察し,考察を加え,庁内の合意形成がいかに図られるべきか,そのために全庁的にどのように取り組むべきかを検討した.結論として,策定業務と研究会を並行して進めることで各施設所管課の方針を汲み取ることと同時に所管課職員の効率的な維持管理に向けた意識改革を行えたことが有効であった.