抄録
地域景観研究では,局所的な箇所や区間が対象となる場合が多いが,地域の全体像を捉えるためには広域的,網羅的な分析が必要となる.本研究では,Googleストリートビューのパノラマ画像を用いた景観可視化手法を開発し,それによる道路景観の空間分布から地域景観分析を行った.富良野・美瑛観光圏を対象に,100m間隔の視点からパノラマ画像を取得し,そのフラクタル次元,空・緑の占有率から対象地域の景観を5つのクラスターに類型化した.さらに,デジタルマッピングにより各クラスターの地域内分布を容易に把握できることを示すとともに,それらの地域比較,多様性などの分析から,各地域の景観特性について明らかにした.