抄録
本研究では,人の滞在場所が時間帯別に記録された「モバイル空間統計データ」と建物個々の詳細な立地情報が収録された「都市計画基礎調査データ」の2つのマイクロジオデータを統合的に用いることで,都市内の建物用途の変更および再配置や集積が滞在人口に与える影響について分析を行った.まず,各時間帯に帯広市内に滞在する人の居住地を集計した結果,その約20%が十勝圏居住者であることなどがわかった.さらに,1kmメッシュ毎に集計した入込人口を目的変数,メッシュ内の用途別建物棟数・延床面積を説明変数として重回帰分析を行い,平日においては,宿泊施設などがある地区ほど,入込人口が増加することを明らかにした.