経済地理学分野においてChristaller1)は,中心地理論を提唱し,一様平面における正六角形状の人口集積の存在を予測した.しかし,正六角形パターンの存在を検証する事は長年できていなかった.これに対して,Ikeda 他2)は,正三角形格子に対する群論的分岐理論に基づく二重フーリエ級数を用いたスペクトル解析手法により,正六角形状にパターンを検出し,科学的な裏付けを与えた.しかし,人口分布が本質的に正六角形状ではない可能性を否定するには至っていない.そこで本論文では,正方形格子に対する群論的分岐理論に基づく二重フーリエ級数を導入し,スペクトル解析を提案する.南ドイツを対象として解析を行った結果,両格子ともに正六角形パターンに類似したパターンを検出する事ができ,中心地理論の科学的裏付けを補強する事ができた.