抄録
世界全体の人口は増加傾向にあり,とくに都市部への人口集中が進むと予想されている.人が生活する上で水は必要不可欠であり,都市人口の増加により,都市で利用される水量の増加が考えられ,水ストレスが高まると危惧される.これまでの研究において,国や大州,流域単位の水ストレス度は示されているが,都市の水ストレス度に着目した研究はない.本研究では,都市が抱える河川流域(後背流域)の流域面積を考慮した「都市流域内人口密度」を定義し,都市における水ストレス度を算出した.イスラエルを対象とした結果,都市毎に水ストレス度を算出することにより,国単位で算出した結果と比べて,水ストレス度が約1.4~5.6倍に高まる結果が得られ,都市流域内人口密度の有用性が示された.