抄録
近年,気候変動に起因する大規模水害が全国各地で発生し,その適応策の策定・推進が急務となっている.香川県中讃地区(土器川流域)では,2013年から,地域連携によるワークショップを軸とした大規模水害対策について検討を実施している.大規模水害発生時には,地域継続の観点から地域で一体となった対応が求められ,地域機能を維持するための地域継続計画(DCP:District Continuity Plan)の検討が必要である.土器川においては,全国に先駆けてDCP策定を目指して行政と住民が連携して取り組んでいる.
本研究では,土器川でこれまで実施してきた検討プロセスを整理し,特徴を抽出するとともに,作成されたアクションプラン(行動計画)の実践による地域防災力向上の可能性を考察した.