土木学会論文集D3(土木計画学)
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和文論文
交通流の車両構成比の遷移とグリッドロック現象形成過程の関係
大島 大輔大口 敬
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2018 年 74 巻 3 号 p. 228-242

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抄録
 グリッドロック現象の発生には,ネットワーク上を通行する交通のうち交差点で転向してネットワークに残留する車両の構成比が関係し,この構成比はネットワークの交通状態によって遷移し得る.この遷移過程を踏まえると,最終的に到達する交通状態として,交通需要等が等方な条件下では2つの状態が導かれるのに対し,異方な条件下では3つの状態があり,そこに至るまでの過程として9パターンが起こり得ることを示した.また,特徴的な現象として,渋滞が一周つながった時点ではグリッドロック現象による交通量低下が起こらないが,構成比の遷移後に突然自発的に交通量低下が始まるケース等が起こり得ることを明らかにした.更に,交通量低下が急激に進行し,構成比の遷移前にデッドロックに陥る可能性があり,それを判断するための計算方法を導出した.
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© 2018 公益社団法人 土木学会
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