現在の都市空間を構成する街路は,近代化以前から存在する道筋や都市計画によって建設された街路,スプロールによって自然発生的に形成された街路など様々な形成時期,経緯によるものがある.またそれらは幹線道路や近隣商店街,住宅街の区画街路など多様な利用特性を有しており,これらの関係性を明らかにすることは今後の街路整備,都市計画を検討するうえで,有用であると考えられる.
本研究では東京の都市拡大によって市街地が形成された目黒区・渋谷区を中心とした地域を対象として,旧版地形図の分析より個々の街路の形成年代を,Space Syntax理論を用いて経路としての利用特性(媒介中心性:Choice)を分析し,これらの関係を相関比を用いて明らかにした結果,形成年代の古い街路が主に近隣スケールにおいて媒介中心性が高いことが明らかとなった.
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